犬しつけ10のアドバイス


「犬のしつけ」ではなく「犬との正しいつきあい方」
アドバイス!

あなたは、
愛犬のリーダーになりたいのですか?

それとも、家族になりたいのですか?
仲良くなりたいのですか?

犬とつきあうときに、必要なのは
毅然とした態度ではなく
犬が安心できるやさしい態度です

心の声をしっかりと聞いて
愛犬と向き合うようにしましょう

愛犬と仲良く、家族になりたいと思っている飼い主さんのために
Doggy Labo 中西が、犬のしつけではなく、正しいつきあい方
お話いたしましょう!

「言葉を交わせない動物と人がつきあうためには
人がやらなくてはならないことが たくさんあるのだ」
     ブレイブ・バッファロー/ブラックフット族

 

:サウスダコタ、アメリカンインディアンの末裔
ベン・エルク・イーグルさんのお宅にホームステイ
ナカニシをともだちにしてくれたグレシカーラと
ジージーウィー

 

犬のしつけ その1

Q. 犬はハウスに入れるべき?
A. 入れたほうが何かと都合がいいです

ハウスは、ちゃんと教えてあげられたら、犬にとっても安心できる自分のお部屋になります。
また、震災など災害があったときに、ハウスに入れると一緒に避難所に入れてもらえるところもあるようです。

いずれにせよ、ハウスでリラックスして過ごせるようにしておいたほうが、
お互い都合がよいことが多いです。

◎ハウストレーニングのポイント

1. おいしいものを使ってハウスの中に犬を誘導します

2. 中に入ったら扉を閉めて、さらにおいしいものを入れます。

3. ハウスの中にいるときは、なるべく声をかけたり目を合わせたり、
さわったりしないようにします。

4. 吠えたら布などで目隠しをして、静かになったら外してやります。
このとき声をかける必要はありません。

・留守をするとき

は基本的にはハウスに入れておいたほうがいいでしょう。
いたずらをしたりしない場合には、出しておいても大丈夫ですが
ハウスに入っていたほうが落ち着く犬も少なくないのでよく観察してあげてください。

・夜寝るとき

ハウスに入って眠ることもできるようなら、一緒に寝ても大丈夫です。
ハウスに入れると鳴いてしまう場合には、入って眠れるよう
練習をしたほうがいいでしょう。

日中、1日1回60分程度、ハウスに入れるようにします。
60分経って静かにしていたら出してやります。
騒いでいるときは出さないようにします。

※時間はきっかり60分とは決めないようにします。
10分くらいずらすようにしてください。
必要以上に閉じ込めることは良くありませんが、ハウスの中にいるときにリラックス
できるように習慣づけることが大切です。

:ベンさんが住む居留区シャイアンリバーへ続く道

 

犬のしつけ その2

Q. 犬が入れない部屋を作るべき?
A. 入れると都合が悪い場合には入れなくてもOK

犬は本来、家族と一緒にいたい動物です。
一緒にいたいのに、そばに行かれない状況は、実はとてもかわいそうです。
しかしながら、トイレを覚えるうちは、人間の都合で汚されては困る?ので
4.5畳〜6畳くらいの広さでフリーにするように制限して、しっかりと教えましょう。
トイレができるようになったら、行かれる部屋を増やしていくとよいでしょう。

しかし、寝室に入れるとおしっこをしてしまうなど、飼い主さんが困ることをしてしまう
場合には、寝室のドアは閉めておいたほうがいいでしょう。

廊下、玄関も、犬がマーキングしたいスポットなのでもしマーキングされる場合には、
自由に行かれないように管理することも必要な場合があります。
キッチンは、まちがって食べてはいけないものを食べてしまう危険性もあるため、
入れないようにする飼い主さんも多いようです。

 

犬のしつけ その3

Q. ソファ、ベッドへ乗せてはダメ?
A. 乗せても犬が威張るようになる!?なんてことはありません。

ソファ、ベッドは、人にとって心地のよい場所ですが、犬たちにとっても同じことで、
さらにくつろいでいる飼い主さんのそばにいたい犬も多いです。
飼い主さんも、そんな愛犬に癒やされることでしょう。

ソファ、ベッドに乗せてもモンダイありませんが、降りて欲しいときに降りない場合は、
降りてくれるように教えることが大切です。
最初はおやつなどを使って誘導してもよいでしょう。

※下ろそうとすると唸ったり、噛みつこうとしたりする場合はプロにご相談ください。

:ダンスウィズウルブズのロケ地にもなったBAD LAND

 

犬のしつけ その4

Q. 「あそぼう」と誘ってきたら遊んではダメ?
A. あそべる余裕があるときは遊んであげましょう。

遊ぶときは、飼い主さんもできるだけ楽しむようにしてください。
難しく考えず、楽しむことが大切です。

余裕がなくて遊べないときは、「あとで」や「待ってて」というよりも、
「今はあそべない」という態度をきちんとみせてやることが大切です。
そして、できるだけ早く切り上げて、遊んでやる時間を作りましょう。
忙しいときこそ、そうしたリラックスの時間が大切なものです。

もし「あそぼう!」と主張して吠え始めた場合、うるさいからといって遊んでしまうと、
吠えたら遊んでもらえる、という学習になってしまい、吠えるようになると、
人間の生活、都会に住んでいる場合には迷惑になってしまいますので、
叱らずに無視をするか、席を立って他の部屋に行ってしまうなどしましょう。

:バッファローセージを刈り取るお手伝い中
お手伝い?をしてくれる、GSD コダ 

 

犬のしつけ その5

Q. 叱る、ほめる、は必要?
A. それよりも、OK!、NG!を伝える気持ちで

私はあえて「ほめる」「叱る」という言葉を使わないようにしています。
なぜなら「おりこう!」という言葉を使えばほめている、「ダメ」という言葉を
使えば叱っている、とカンチガイする人が多いからです。

大切なのは、犬という動物にOK!「そうだよ、それでいい」と伝わること
NG!「ちがうよ、そうじゃない」(+こうだよ!)と伝わることなのです。

YES!(そうだよ!)は心がこもった飼い主さんの「おりこう!」などの
ほめる声や、おもちゃ、食べ物(トリーツ)です。
個体差はありますが、食べ物を与えた場合の学習の速度はとても早く、教える人も
教わる犬も一番ストレスが少ないと思っています。

しかも、ずっと使い続けなければならないことはなく、愛犬と良い関係を作ることが
できたら、食べ物がなくても指示に従ってくれるようになります。

NO!(ちがうよ!)は、声の高低にかかわらず、しっかりと気持を込めることが
大切です。うまく通じない場合には、ムダなエネルギーは使わず、感情は入れずに
速やかにハウスに入れることです。これは

ハウスに入れること=NO!  ではなく
フリータイムが終了した=NO! です

ハウスをお仕置きで使うときらいになる、という説がありますが、それはこの点を
誤解することによって起きる考えです。
これによってハウスを嫌いになった犬は、私の経験では一頭もません。
閉じ込められることへの不快感を表す犬もいますがそれはハウストレーニングが
不足しているだけです。

ハウストレーニングがきちんとできている犬であれば、入れられたらすぐにあきらめ
リラックスして寝てしまいます。
しかし、ハウスに入れられるルールは学習するため、ハウスに入れられるきっかけに
なった行動をしなくなります。

:シャイなホーリーベア

 

犬のしつけ その6

Q. おもちゃを出しっ放しにしてはけない?
A. どちらもあるとよい!

おもちゃは飼い主が管理することで、愛犬とのコミュニケーションツールとして
使うことができます。しかし、一人遊びができることも大切なので、おもちゃを
分けて管理するのが良いです。
飼い主と遊ぶときのおもちゃ、ひっぱりっこ、ボールは管理して、一人で遊ぶための
ぬいぐるみやラバートーイ、パズルは犬が自由に使えるようにしてやります。

一緒に遊ぶときは「遊ぼう!」などの声をかけるようにしてやると、犬にわかりやすく
決定権も得やすくなります。終わりはきちんと「終わり!」という声をかけて、
愛犬があきらめやすいようにしてやることも大事な思いやりです。

愛犬が自由に使えるおもちゃは、一部を管理してローテーションしすると毎回新鮮な
刺激になり、楽しく遊べるようになります。

:ベンさんが人見知りだと言っていた
ボーダーコリーのホーリーベア 

 

犬のしつけ その7

Q. 甘やかしてはダメ?
A. そもそも、甘やかすってどういう行動?

特に日本人は、子どもや犬をしつけ(教育)するときに、「ダメ」などの否定後を
使う傾向が高いように感じます。
ダメ!コラ!イケナイ!など、言い過ぎていませんか?

たくさんのケースを見てきて、私は、子犬のうちは、手元に来てから3か月
(※6か月齢)くらいは、まったく叱らなくてよいと思っています。
多くの、愛犬と関係が壊れてしまっている問題は、この時期のつきあい方に
原因があることが多いからです。

とくかく毎日、おりこう、天才!かわいい!を、心からたくさん言ってあげましょう

ただし、過干渉は要注意です。ほめる言葉をかけることはよいことですが、
指示を出しすぎていたり、意味のあまりないお願い(おいで、おすわりなど)が
多すぎたりすると、愛犬との関係に影響が出ることもあります。

抱くことは愛情表現ですが、犬が嫌がっていないかよく観察しましょう。
嫌がっている場合には、せっかくの愛も、ちゃんと届かず、逆に不快感を与えて
しまうことがありますので、要注意です。

また、「ウチの子は、ずっと私を見ています」
という飼い主さんも少なくありませんが、なぜ、ずっと見ていることが
わかるのでしょう?それは、飼い主さんも見ているか、気にしているからです。
それが愛犬に見抜かれていて、愛犬も飼い主さんを気にするようになります。
しかし、その状態では決してお互いリラックスできませんので、
それぞれの時間を楽しむときは、メリハリをつけてしっかりと楽しみましょう。

:ホーリーベアと仲よくしているときに様子を見にきた 
ジージーウィー 女子同士です          

 

犬のしつけ その8

Q. お散歩で引っ張るのはダメ?
A. 危険がある場合には改善を!

※犬が引っ張る理由は
「自分がリーダーだと思っている」からではありません!

お散歩の目的はなんでしょう?
一緒に楽しく歩くこと、ではないでしょうか?

しかし、残念ながら都会では、かなり緊張してお散歩をしなければなりません。
人や車が通るなど、危険でもあるし、迷惑をかけることも気にして
歩かなければならないからです。なので、マナーを守らなければなりません。

マナーを守りながら一緒に歩くためには、それなりに練習することが必要です。
飼い主さんが愛犬に教えてあげるのが理想ですが、上手くいかない場合には、
プロにアドバイスをもらいましょう。

私が理想だと思っている散歩の定義は「お互いを気にしあいながら一緒に歩く」ことです。
愛犬とよく会話をしながらルールを決めて、上手に歩けるように練習しましょう。
散歩はとても大切な気分転換なので、飼い主さんも愛犬も、気持良く歩くことが
できるようにしましょう。

犬の感覚の中でもとびきり優れているのが嗅覚です。臭いを嗅ぐことを
楽しむのが犬という動物ですが、嗅ぐだけでなく、なにかみつけたら口に
入れてしまうことがあります。都会では、口に入れて欲しくないものが
落ちていることがほとんどですので、臭いを嗅ぐときにも注意が必要です。

目を離して嗅がせていると、口に入れるところを見逃してしまうことが
ありますので、首を上げて歩く練習、嗅いでいるときは見守るなど、
飼い主側にも工夫が必要です。

☆よりそイズム 二つの約束
1)社会、他人に迷惑をかけない
2)飼い主、本犬が危険ではない

範囲で、一緒に歩くお散歩をお楽しみください!

※教える自信がない場合にはご相談ください!


:古のヒーローたちが祈りを捧げた新生なる山
ベアビュート・熊が寝ている姿に見えます

 

犬のしつけ その9

Q.「行ってきます」と「ただいま」は言わない方がいい?
A. どちらでも、都合が良いほうで

留守から戻ったときの犬たちの歓迎ぶりは、飼い主にとっては
とても嬉しいことですが、吠える場合、帰宅時間によっては近所迷惑になってしまう
こともあります。

子犬のころから、帰ってきてすぐに「ただいま」をせず、少しして落ち着いてから
「ただいま」の挨拶をするようにすると、それほど興奮せずにお迎えしてくれる
ようになりますが、少々さみしいものがあります。

「行ってきます」のときに淋しがってクンクン鳴いたりする場合には、
おやつを詰めたおもちゃなどを用意し、家を出るときに与えてから
出かけるとよいでしょう。家にフリーで留守番をさせるより、
ハウスの中の方が落ち着いて、安心していられることも少なくありません。


:私の人生が変わることになった本   
      「自分を信じて生きるインディアンの生き方」   
        著者の松木正さん、彼のワークショップに参加しました

 

犬のしつけ その10

最後は、飼い主さんにお願いです
★犬を安心させてあげられる存在になる人になってください

私が犬を飼いはじめたころは「飼い主はリーダーになるべき!」ということが
盛んに言われていました。しかし今は、それは間違っていると思うようになりました。

リーダーが必要なのは会社組織やグループなので、家族には必要ないと私は考えています。
場面によってリーダーシップを発揮することはありますが、だからといって絶対的な
リーダーになる必要はなく、お互い補い合う関係がベストだと思っています。

かけがえのない存在である犬たちは、たくさんの喜び、癒やしを私たち飼い主に
与えてくれます。そのお返しにベストを尽くしたいと思うのです。

愛犬を幸せにしたいなら、まず飼い主が幸せであり、自分のことが好きであり、
自己肯定感が高く、自信を持っている人になるのが理想です。
そんな飼い主のもとで、愛犬は安心して生きることができるでしょう。

しかしながら一つだけ、ルールがあります。それは、犬という種を人の社会に
入れて順応させようとしているので、必要な場面での最終決定権は人が持つように
しなくてはなりません。
悲しいことに、人の社会では、犬らしくあることがまかりならないことがあるからです。

そのときは、犬という種を尊重した上で、お願いして、従ってもらうよう、
心に留めておきましょう。それは、大きな愛で犬たちを包み込み、全力で守ろう!
という、飼い主の気持ちの表れでもあるのです。


:母なる大地にもどり生まれ変わる儀式
 スウェットロッジ         

 

Rapid City South Dakota 2013.7 ———————————————————————————————————

以上が、私が飼い主さんにお伝えしたい10のお話です

シドニーで教わった、西欧の支配思想が残る教えから
「信頼は受け入れることから始まる」
というアメリカンインディアンから学んだ「よりそイズム」に変わり
私がアドバイスする内容は、かなり進化しました

人として、犬という種とどう関わるべきか「犬のしつけ」という 
今のマニュアルが、あまりにも犬たちに不公平なことに気づき

もっと彼らによりそいたい、もっと仲よくお互い幸せに暮らしたい
そう強く願うようになりました

私はレッスンをとおして「犬のしつけ」ではなく「犬との正しいつきあい方」
広く飼い主さんに伝えることで、飼い主さんの心が軽くなり、
愛犬との関係がさらによくなるという経験をたくさんしてきました。

その感動を、一人でも多くの飼い主さんにしていただきたいと願っています。

「愛犬の声を聞く」
犬との正しいつきあい方コーチング

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Blog「Doggy Labo がゆく!」
シャイアンリバー居留区 ワークショップレポート
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