これからの日本の犬文化 ~ 飼い主さんたちへのメッセージ ~

今までは私が実際に経験してきたことをお話してきましたが、今日は生意気にも私が希望するこれからの日本の「犬を飼うとき」の話をしたいと思います。
犬との出会い「まず親犬から選ぶ」
犬と出会いはいろいろありますが、ぜひブリーダーから飼う、ということにこだわって頂きたいです。
まず犬種について十分調べ、親犬を見て決める!というところまでこだわってみるのはいかがでしょうか?
私が研修したシドニーのドックテックインターナショナルのジョン先生は、去年ロットワイラーの女の子を飼いました。ブリーダーを選び出し、その子の母親を見て決めたそうです。トレーニングに関して相当自信があるようで、必ず見に来い!との連絡があり今年の夏その子に会いに行く予定です。
また、去年から連絡をいただいているお客様で、親犬が妊娠中からご予約を頂いてた方がいます。レオンベルガーの子犬ですが、電話を頂いた時は少々気が早い、と感じましたが、実はとても大事なことだと気づかされました。
ブリーダーは慎重に選ぶべきです。我が家の子犬、アクセルは2ヶ月齢で我が家に来たとき、トイレのしつけをする必要がありませんでした。ブリーダーのところで済んでいたのです。子犬のトイレの習慣は、母親が便を舐め取らなくなった時からすでに始まっています。それは、飼い主の手元に来るずいぶん前のことのです。そこで、私は思うのです!飼い主さんの手元に来る前に、プロであるブリーダーさんの元でトイレのしつけが済んでいたら、どんなにすばらしいことかと!
お客様から聞いた話ですが「飼い主に慣れないといけないので、生まれてからほとんど子犬に触っていません」と言われたそうです。犬舎も見せてもらえなかったとのこと。ベルギーの獣医師、ジョエル・ドゥハッス博士によると、子犬を人間に慣らすためには、赤ちゃんの頃から触ってあげる必要があるのです。
次に気にしていただきたいのは子犬の年齢です。ドゥハッス先生によると、最低50日は親兄弟と一緒にしておくべきです。実際、それより早く手元に来て、落ち着きがない、甘噛みがひどいなどの問題行動に関するお問い合わせを、実際に非常に多く承ります。子犬は悪くありません。ただ教わっていないだけなのです。
しつけ
しつけは子犬が手元に来てからすでに始まります。それは「訓練」と言われているものとは違います。
「しつけ」は必ずしも叱ることではありません。特別なことでもありません。撫でたり抱っこしたりの子犬との関わり方こそ、大切なしつけなのです。
訓練に関しては、6ヶ月前の子犬に、あまり高度なことを要求するのは止めましょう!スワレ、フセ、マテなどのことを教える場合には、大好きなおやつをつかって楽しくやってあげて下さい。マテは最初からあまり長い時間に挑戦しないであげて下さい。まずは5秒から!
4歳までまったく訓練をしなかった我が家の長男ロックは、5秒から始めて今では5時間も平気で待ってくれます。厳しい訓練は、少々気持ちが安定し始める6ヶ月過ぎから取り組んでも、決して遅くはないと思います。
犬好きとして、家庭教師として、少しでも多くの飼い主さんが、愛犬から尊敬される喜びを経験していただきたいと思っています。