吠える

吠える

☆「犬のしつけ」よりも
犬との「よりそイズム」でお互いもっとハッピーになる!

 

犬たちだけが窮屈な「犬のしつけ」は変わるべき!
厳しい「犬のしつけ」をして犬とつきあいたくない飼い主さんのために
リーダーになるのではなく、家族になるために
・・・
トレーニング理論、行動分析学、学習理論の知識だけでなく、
16年間2000頭以上の犬たちと向き合ってきて、
犬たちが教えてくれたこと、犬たちから学ばせてもらったことをベースに、
飼い主として、人としてのあり方を、心理学に基づいて分析し、
中西独自の目線で、新しい「犬との幸せなつきあいかた」をご提案します。


犬がする行動に「ムダ」はありません。
犬が吠えるのには、ちゃんと理由があります。
犬が吠えるのは、「クセ」ではありません。
伝えているメッセージが、ちゃんとあります。

犬が吠えることで伝えているメッセージは
大きく分けると以下の5つになるかと思います。

1. 警戒吠え
2. 喜び吠え
3. お祭り吠え
4. 要求吠え
5. 不思議吠え
6. 遠吠え

一つ一つ、解説していきます。

1. 警戒吠え

都会でのお悩みで一番多いと感じる、ドアホン、ピンポン
という音に吠える理由がこれです。
犬の習性で、自分のテリトリー(家)に、知らない人が現れた場合、
まずは入ってくるな!という感じで、不快を表すような様子で吠えます。

犬の様子を観察して、そのときの気持ちとしては、99%以上が
「怖い」と感じているようです。
レッスンでお宅へうかがったときの犬たちの反応はさまざまです。

ほとんどが、私に捕まえられないように適度な距離をとって、
逃げながら吠えかかってくる感じです。

たまに、ちょっと勇気を出して噛みついてくる子もいます。
そういう場合は、噛み続けるというよりは、
近づいてパクッと噛んで、すばやく逃げる感じです。

だいたいはジーンズの上から噛まれ、出血するほどの
場合もありますし、あざになるだけの場合もあります。

うっかり手を出してしまうと、かなり出血するほど噛まれる
ケースもあるので要注意です。

怖くて近づけず逃げ回っている場合は、目を合わせたり、
声をかけたりしないで静かに座っているようにすると、
そうっと近づいてきて匂いを嗅いで、落ち着ける子もいます。
おやつをあげて食べられる場合は、気を許してくれる子もいます。

対処法

・ドアホンが鳴ったらハウスに誘導
※おやつを詰めたおもちゃを使うと良い
・おもちゃを中に入れて、ハウスに入ってもらう
・落ち着いたころでハウスから出す

※このとき使うおやつは、ドアホンが鳴っても
喜んで食べてくれるものである必要があります。
市販のおやつなどでもよいですが、なかなか見つからない場合は、
ささみを茹でるなど美味しいものを探してください。
(おすすめおやつ参照)

これを繰り返していると、
ドアホンが鳴る=おやつが詰まったおもちゃをハウスの中に入れてもらえる、
と学習して、ドアホンが鳴ったらハウスに入るようになります。

落ち着いたらハウスから出してやってもいいですが、その場合は、
お客様が怖くて吠え続けることがない場合に限ります。

どうしても怖くて吠えてしまう場合には、犬のストレスにもなりますので、
ハウスに入れたままか、ハウス内で吠えてしまう場合には、
別室にうつしてやるのがよいでしょう。愛犬のストレスを一番に考えましょう。
人間だって、怖い相手、嫌な相手とは同じ部屋にいたくないはずです。(笑)

2. 喜び吠え

ドアホンが鳴って吠えるのは警戒吠えと同じですが、
明らかに喜んで吠えている場合がこれです。

お客様が大好きな犬や、大好きな人、
飼い主さんやご家族が帰宅したときなど、
嬉しそうな声で吠えます。

喜んでいるので叱るのはかわいそうですが、
時間帯によって近所迷惑など不都合になることが
ありますので気をつけなければなりません。

昔のしつけだと、無視しましょう、とありますが、
喜んでいる犬たちを無視するのは、
正しい向き合い方だとは思えません。

おやつを上手に使いながら、十分に喜びを受け止めて、
満足するように撫でたり、抱きしめてあげたりするのは
いかがでしょう?

喜んでいる愛犬たちを叱るのがしのびなくて、窓を二重にしたり、
引越したりした方もいらっしゃいます。
あっぱれ!究極の「よりそイズム」ですね!

参考までに、中西家では、犬たちが大好きな玄米ぽんせんを
床にバラまいて、食べたり、ごあいさつしたり、
喜び吠えを緩和しながら「おかえりーただいま」の儀式を
済ませてやるようにしています。

ごはんの時間の次?もしかしたらそれ以上に喜んでいる
愛犬の姿を見るのは、嬉しいものではありませんか?

ちなみに、猫たちはこれほど喜んでくれないので、
犬好き、犬飼いにはたまらない場面であるはずです?

対処法:
おやつをバラまいたりして、興奮を緩和しながら、
できるだけ喜びを受け止めてあげるのがよいでしょう。
私は「ただいま」「ありがとう」「私も嬉しいよ」などと、
声をかけながら、少し強めに撫でたり、
抱いたりしてやっています。
あと、帰宅時間もなるべく?(笑)
遅くならないように気をつけています。

 

3. お祭り吠え

これはちょっと聞きなれない方もいるかと思いますが、
お客様が来たときに、それほど警戒しているわけでもなく、
嬉しいわけでもなく、ただただ「誰か来たよ!」と
吠えているタイプです。

実際に現場では、こうした理由で吠えているケースは
少なくないと感じます。
「怖い」わけでもないですし「喜んでいる」という興奮が
強いわけではありませんので、比較的おさまりやすい吠えの種類
かと思います。

飼い主さんから、またはお客様からおやつをもらうだけで
吠えるのをやめてしまうことも少なくありません。
興奮の度合いが強い場合には、おやつを詰めたおもちゃで
誘導してハウスに入れてもよいでしょう。
落ち着くのも早いので出してやるとよいでしょう。

対処法:

・飼い主さんか、お客様におやつをあげてもらう
・興奮しすぎている場合には、一旦ハウスに入ってもらう
※おやつを詰めたおもちゃを使うと良い
・おもちゃを中に入れて、ハウスに入ってもらう
・落ち着いたころでハウスから出す

※このとき使うおやつは、ドアホンが鳴っても
喜んで食べてくれるものである必要があります。
市販のおやつなどでもよいですが、なかなか見つからない場合は、
ささみを茹でるなど美味しいものを探してください。
(おすすめおやつ参照)

4. 要求吠え

この吠えは、もともと犬の習性ではなく、
人間の接し方で学習させてしまう場合がほとんどです。
行動学の理屈で考えると、吠えたら犬にとって嬉しいことが
起きる場合に学習します。

例えば、ハウスに入っていて吠えたら、飼い主さんが見てくれた、
声をかけてくれた、出してくれた、などで吠えることを覚えて
しまいます。

吠えたら出してもらえる、と学習するので注意が必要なのですが、
子犬を迎えたときに、ハウスの中でひとりぼっちになり、
さみしがって鳴いているのを無視するのは、
子犬の心をこわしてしまう、と最近では言われています。
(子犬のしつけ参照)

対処法:
・要求に応えないようにする(要求している逆のことをする)
※ただし、子犬がさみしくて吠えている場合には要注意(子犬のしつけ参照)

 

5. 不思議吠え

これは私が勝手に命名したのですが、ネットなどでも見かけますし、
お客様先で相談されることもある「吠え」で、
何もないところに向かって吠え続ける、というものです。

私たちに見えないものが見えている!という説もあるようですが、
どうなんでしょう?(笑)
この世の中には、見えないけれどもある、大切なものは目に見えない
という話もありますので、絶対にない!

とは言い切れないかと思いますが、ほとんどは、
私たちに聞こえない音が犬たちに聞こえていたり、
壁などの反射して何もないところから聞こえているように感じている、
ということ、なのでは?ないでしょうか。

対処法:
人間にとっては訳がわからない?感じですが、
彼らにはそれなりに理由があることが多いので、
呼び寄せて「わかったよ」「大丈夫」などと声をかけて
なだめるのがよいと思います。

そうすると、わざと?何もないところに向かって吠えるようになる、
と考える人もいるようですが、「わかったよ」「大丈夫」と
声をかけてほしいための要求吠えなら、そうしてあげたら目的は
達成されるということなので、そうしてやればいいだけのこと
かと思います。

そんなに手間のかかることではありませんし、犬生で、
何回それが起きるのか、残念ながら彼らとのつきあいは
それほど長くはないのです。だったら、それくらい、
つきあってやりたい、私はそう思っていますが、いかがでしょうか?

6. 遠吠え

犬たちの祖先と言われている狼は、仲間に合図を送るときに遠吠えします。お互いの位置を確認したり、狩りをする前に士気を高めるという目的があるそうです。

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nakanishi
Doggy Labo 代表 ナカニシ