犬しつけ10のアドバイス

☆犬のしつけ☆

「犬しつけ10のアドバイス」をリニューアルしました!
犬とつきあいはじめたときに必要なこと

これだけ知っていればOK!
中西のオススメ!限定

主従関係ではなく
家族としてつきあいたい飼い主さん向け

◎犬を迎える

犬と出会う方法

幸せになれる出会い、中西のオススメは二つ

優良ブリーダーから迎える

※空輸してくれるところはNG
※陸路で迎えに行く
※56日以前に渡せるというところはNG
※できれば犬種は一種にこだわっている人を探す

優良ブリーダーを探すのは、なかなか難しいかもしれません
一番良いのは、ブリーダーから犬を迎えた人に聞くことです。

どんな犬を作っているかわかりますし、どんなブリーダーさんなのか
人間性なども聞くことができます

保護犬を迎える

※ネットで保護団体を探して譲渡会に足を運ぶ
※団体代表との相性も重要
※ハードルが高いと感じても誠意を持って諦めない

保護団体はいろんな団体があって、それぞれ考え方を持っています
保護した犬たちが、本当に幸せになってほしくて
がんばっている方がほとんどですが、その団体の評判なども
注意しておく必要はありそうです

譲渡においての条件は、厳しいところが少なくないですが
だからこそ信頼できると言えることもあるかもしれません

:Kealii(ケアリイ・ハワイ語で『王』)

犬を迎えるときに必要なもの

ハウス

犬が安心していられる場所(干渉しないようにする)
クレート
ケージ
サークル

犬を迎えたら、まずは居場所をつくる
設置場所:家族の姿が見える場所で、落ち着ける場所

ベッド(マット)

犬が気持ちよく寝そべることができるもの
季節に応じて素材を検討する必要あり(冬は暖かく、夏は涼しい素材など)

トイレ

ペットシーツ
トイレトレイ(シーツだけだと破いてしまう場合)
※トレイだけだと破ってしまう場合はスノコ付きにする

 

 

ごはん

・ドライフード(良質な国産で、自分でも食べらそうな臭いがするものがオススメ)
・手作りごはん(獣医師、栄養士のレシピ、セミナーを受講して学ぶことをオススメ)
※必要に応じてサプリメント

◎中西が愛犬たちのためにオリジナルで作ってもらっている『いぬごはん』
お客様から「欲しい!」との声が多く、オンライン販売開始いたしました

Doggy Labo On Line Shop


おやつ

必ず必要なわけではないが、愛犬の喜びにもなるのでオススメ
※市販のものはできるだけ良質なもの(無添加、無着色など)を選ぶようにする

手作りがオススメ!
肉(鳥、豚、牛、馬、ラムなど)茹でたり、焼いたりする
※味つけはしない

果物(バナナ、りんご、イチゴなどがオススメ)
※犬は甘みを感じることができる
※ブドウは与えない方がいいという説あり

フードドライヤーで手軽にジャーキー作り!
肉を適当な大きさに切って(薄めがオススメ)ドライヤーに入れて乾燥させる
魚や果物でもOK

愛犬が好きなものを探しましょう!

おもちゃ

絶対に必要というわけではないが、犬のQOLアップには大切
危険や不都合がなければ、スリッパ、靴下、タオルなどでもOK
※おもちゃで遊ばせる場合には、誤飲などの危険があるため必ず見ている必要あり
※できればパペット遊びや引っ張りっこ、ボール投げなど一緒に楽しめることがベター
※追いかけっこは愛犬が鬼になってもらう(自分を追わせる、追いかけると逃げる
癖がついてしまい、いざという時に捕まえにくくなる)

ケア用品

・毛質に合わせたブラシなど
・歯磨き用ツール(手袋、歯ブラシなど)

キャリーバッグ(ソフトタイプ)

大型犬には無用
小型犬を運ぶときに必要なことがある
必ずしも必要ないかもしれないが、あると便利
慣らす必要があるので、早めに用意することをオススメ

キャリーケース(ハードタイプ)

大型犬の場合にはケースに入れて車に乗せる時などに使う
小型犬にも使える
使い勝手によってソフトタイプと使い分けると良い
必ずしも必要ないかもしれないが、あると便利
慣らす必要があるので、早めに用意することをオススメ

洋服

必ずしも必要なわけではないが、手術をすることになったり
皮膚にデキモノなどができたりした場合、着せることに慣らしておく必要あり
慣らしておくことはオススメ

:寒いので着せています

かかりつけの動物病院を探す

経験から、いろんな獣医さんがいるので、近所で犬を飼っている先輩に聞いてみるのもオススメ。一箇所見つけたからといって、そこしかいない!と決めない方が良い。

場合によってはセカンドオピニオンを求めることも必要。
獣医によって、得意不得意があることを知っておこう。

飼い主と獣医師との相性は、愛犬にとっても重要
少しでも疑問に感じたことは、質問できる飼い主であろう!

目的や設備によって、最低2〜3軒はおつきあいをしておくことをオススメ
例えば、現代医療をやっているところ(西洋医学)自然療法をやっているところ(東洋医学)、両方やっているところ、など。
獣医師自身が学会に出て、勉強を続けている人かどうかなどもチェックポイント


犬を迎えたら

普通に考えればわかることかと思いますが、人間でも初めて連れてこられた場所ではなかなかリラックスできないし、不安です。
なので、できるだけリラックスできるように、不安を感じさせないように努めましょう。

まずは居場所を作ってやることが大事。飼い主の存在を感じられるような場所にハウスを設置して、構い過ぎないように、さみしすぎないようにしてやりましょう。

ハウスを置く場所

人の通りが激しすぎるところは避けて
かといって隔離されているような場所はNG
できれば、犬が家族全員を確認できる場所
常に犬を見守れる(※目を合わせるという意味ではありません)場所
リビングルームなどがおすすめ
夜は寂しがる場合には寝室にハウスを移動しましょう

子犬の場合

可愛いので触りたくてしょうがない!
という気持ちはわかりますが、環境が変わることで
子犬の免疫力がグンと落ちていることが多いです

触りすぎてストレスを与え過ぎてしまったり
消耗させ過ぎないように注意が必要です
特に小さなお子さんは触りたがるので
人の子供の管理を重要です

最初の3ヶ月は自己紹介のつもりで

犬に接したように、犬はあなたのことを理解します
どういう人と思われたいか、それをよく考えて
犬に接する必要があります

「犬のしつけ」はまず叱ることから!などと思っている人は
少なくないようですが、これは間違っています
子犬のレッスンでうかがったとき、「NO!」「ダメ」「イケナイ」
など、否定の言葉しか使わない飼い主さんがいてビックリします

犬と良い関係を築きたければ、最初の3ヶ月は叱らないように!

と、中西はレッスンでお願いするようにしています
この人は嫌なことはしない、怖くない
と犬が思ってくれるようになると信頼関係ができてきます

信頼関係ができてきたら、さらに良い関係を作るために
こちらがしてほしくないことをしたら
「それはしないで欲しい」という気持ちを伝えられるようになります

そうなると、犬たちはそれを察してくれるようになります
最高の関係です

犬とつきあうときに必要なトレーニング(教えておくといいこと)

ハウストレーニング

本来は、動物を閉じ込めるということは強いストレスを与えることになりますが、犬の場合には慣れてくれることが多いので、どうしても要求してしまうトレーニングです。
人間と暮らすときにとても便利だからです。
閉じ込めなくてもよい環境で飼われている犬の場合には必要ないことですが、そうではない環境で飼っていることが多いと思われます。

私自身も、自分のエゴでハウスに入って静かに過ごして欲しいと望んでしまいます。
幸い、トレーニングすることで、リラックスして過ごしてくれるので、トレーニングをオススメします。

《やり方》
・おやつで誘導などして、自らハウスに入るようにトレーニングする
・怖がらないで入れるようになったら扉を閉める
※ブリーダー元から来た場合、ハウストレーニングされてない犬も多いので、怖がらないで入れるか、よく観察して、扉を閉める時間を調整することが必要。
自分でやるのが難しいと感じたときは、プロのサポートをオススメ。

・おやつを詰めたおもちゃなどを一緒にハウスに入れてトレーニングするとよい
※ハウスの中に長くいることに慣れやすくなる

スキンシップ

子犬の場合は、幼いうちから体のどこでも触らせてくれるようにしておくと、体をチェックする必要があるときに便利。
嫌がるところを見つけた場合には、特に優しく、嫌がる度合いによっては、おやつなどで気を引いて慣らしてやる必要がる場合も。

見極めが難しいときは、プロのサポートをオススメ。

オイデ

「オイデ」でそばに来てくれるのは、とても便利だし、場合によっては危険から守ってやることになるので、一番教えておきたいことの一つ。
オビディエンストレーニング(服従訓練)などと物騒な?名前がついていますが、できればそんな名前で呼びたくない、と中西は思っています。

ではなんと呼ぶ?
中西流だと「お願い」と呼びたいところです。こっちへ来てもらうことを「お願い」するのです。もちろん、飼い主はお願い上手になる必要があります。
人の世でも、お願い上手は世渡り上手、お願いは上手にできるに越したことはありません。
犬との関係も然りです。

犬にお願いしたいこと、人と犬の幸せな共生のためには、

「オイデ」
「オスワリ」
「マテ」

の3つができれば十分だ、と中西は考えています。

《教え方》
・おやつ(小さな一粒、ドッグフードでもOK、ただし、それでは来ない場合には使えない)を握って、それを犬の鼻先にかざして臭いを嗅がせる。
・少し離れて、握りこぶしを犬の鼻の高さに下ろして気を引く。
・犬が近寄ってきて鼻をつけたら手を開いて中のおやつを食べさせる。
・握りこぶしを見たらすぐに飛んでくるようになったら、近づいてきているときに「おいで」と声をかける。
・これを繰り返すことで、犬は握りこぶし(ハンドシグナル)「おいで」という声の合図でそばに行けばいい、ということを学習する。

注意事項
・犬にとって嬉しくないことをする場合には「オイデ」は使わない
※嬉しくないことをするときには気づかれないようにそっと捕まえる
・おやつがないときには呼ばない
・犬にとってメリットがないときには呼ばない
・ムダに呼ばない
・できれば「心」が通じて、「オイデ」と言わないのに来てくれるくらいの関係になれるとよい

☆動画はこちら

オスワリ

頼まなくても座りたければ自分で座りますし、特に小型犬などは、してくれなくては困る、というものでもありませんが、人間?日本人?が教えたがるのが「オスワリ」です。
お行儀がよく見えるからでしょうか?

しかし、確かにやってくれると何かと便利なので、教えておくのも良いかと思います。

《教え方》
・おやつを握った拳の臭いを嗅がせる
・拳を鼻先から上に上げる(上を向く姿勢になるのでお尻が下がりやすくなる)
・お尻がついたら「ヨシ」など声をかけて「それで良い」という合図を出す
・できるだけ素早くおやつを口に入れてやる
・お尻を床につければいいことを犬が理解したら、お尻がついたとき「オスワリ」と声をかけてよく褒める

※手による誘導(ハンドシグナル)でも、言葉「オスワリ」でも、両方でできるようにしておくと便利

犬にとっては、言葉より動きを追いかける形になる、手による誘導(ハンドシグナル)の方が刺激が強いことを覚えておきましょう。
つまり、犬に対してより親切なのはハンドシグナル、ということになります。

☆動画はこちら

マテ

「マテ」はじっとして動かないことを教えること。
教えておくと危険から守ってやれることもあるので、教えておく必要があるかと思います。
しかし、待ってくれるようになったからといって、乱用はやめて欲しいことでもあります。

例えばごはんの前のマテ。
多頭で一緒に食べる時などは必要なこともありますが、そうでない場合、必要あるのか疑問です。
ごはんを入れた器を置いてやった途端に食べ始めたって、困ることは思いあたりません。
ただ、飼い主の好みでちょっと待って欲しい、という気持ちもわからなくないので、待たせてもいいですが、一瞬で十分だろうと中西は思うのです。
一日のうちで一番か二番に幸せな時間だろうと思うので、あまり長く待たせないで、早く食べさせてやって欲しいと願ってしまうのです。

おそらく、犬の飼い主さんがこのお願いをするのに一番多い場面は、愛犬の可愛い写真を撮りたいときでしょう。
身に覚えは大いにありますので、否定できる立場ではありませんが、猫の写真集がほぼすべて自然な姿に対して、犬の写真集などはなんとヤラセが多いことか、自分のことは棚の高いところにあげておいて嘆かずにいられません。

《教え方》
マテには、立ったまま、座って、伏せて、と3つのパターンがありますが、日常的に使いやすいのは座った姿勢でのマテかと思います。
立った姿勢、伏せの姿勢でのマテを教えても構いませんが、教え方は同じです。
ここでは座った姿勢でのマテを説明します。

・犬を座らせる(※オスワリの教え方参照)
・「マテ」と声をかける(※ハンドシグナルを使うと犬が理解しやすい)
・最初は1、2秒待たせて「ヨシ」(※この言葉が重要)とわかりやすくしっかりと声をかけて持っていたおやつを与える
※なるべく失敗させないように(動いてしまわないように)短い時間から始めることが大切
失敗を続けると犬の学習意欲がガクンと下がります
・待ってもらう時間(数秒から〜)は心の中で数えておくと良い。なんとなくだと自分の犬がどのくらい待てるのかが曖昧になります。
・1日2秒ずつ記録を伸ばしてやるようにすると、一ヶ月後には1分待てるようになります。1分待つということは、すごいことです!

ただし、必要以上に待たせることはしないようにして欲しいと中西は飼い主さんにお願いしたいです。
常に自答していただきたいと思っています。

「そのマテは、必要ですか?」

☆動画はこちら

お散歩の仕方

☆動画でご覧ください(準備中)

トイレ

本来は、好きなところに、あるいは臭いをつけたいところに排泄する習性を持つ動物ですが、それでは人間との共生において人間側が大いに不快なので、教えておきたい最重要行動なのかと思います。

昔は、排泄してほしくないところにされたら、鼻面をその場所にこすりつけて叱ると良い、などとひどいことが“しつけ本”と呼ばれるものに書いてありましたが、そんなことはしない方が良いと感じています。
それで成功する場合もなくはないようですが、関係を壊してしまう、見てないときにやる、見えないところでやる(掃除が遅れて被害が大きくなる)ようになってしまうケースを見て来ました。
わざわざ危険を侵すことはしなくて良いので、トイレは叱らないでほめるだけで教えることをオススメします。

《教え方》
・排泄のタイミングをつかむ(寝起き、食後、運動後になることが多い)
・タイミングで囲ったトイレに入れる
・排泄するまで待つ(あまりジロジロ見ないで、さりげなく見ておく)
・排泄を始めたら「ワン・ツー」などの声をかけておくと便利
(声をかけることで排泄を促すことが可能になります)
※声が大きすぎないように注意(排泄をやめてしまう犬も少なくありません)
・排泄が終わったら、よく褒めてできるだけ早くおやつを口の中へ入れてやる
※ほめる言葉を決めておくと、おやつが少々遅れても学習してくれるので、決めておくと良い
・おやつはドッグフードでもOKですが、成功率が下がることがあります。できていたのに成功率が下がった場合には、ドッグフードよりも犬が喜ぶものに変える必要があります。

よくあるお悩み相談

Q. 甘噛みをやめさせたい

  A. 甘噛みは「遊ぼう」という犬からのメッセージです。

犬が「この人とは遊びたくない」と思ったら、してもらえないものと考えてください。それでもやめさせたいですか?

もちろん、子犬のころ犬同士で噛みつきあって遊んだことがない犬―16年2000頭以上の犬たちのモンダイ行動に向き合って来た経験から、ペットショップから購入した場合に非常に多いと感じています。
幼いころに成犬、兄弟から引き離されて流通することに原因があると思われますーは、加減することを学習していないことが多いです。
優良ブリーダーから迎えた場合には、甘噛みが痛くて悩む人はいないと言い切ってもいいくらいです。

加減を学べなかったので、飼い主が教えてやる必要があります。
よく「痛い!と大きな声でいう」と言われているようですが、出張レッスンの現場の現状は、実際にやってみたら余計に興奮して激しく噛みついてくる、という話が確実に多いです。

本当に痛かった時だけ、痛いと言えばいいのではと思います。
本当に痛いときは、言わなくては!と思っていうことはないと思います。
我慢してくださいとお願いしても無理。
それが犬に伝わるのだと、中西は考えています。
演技はバレるし、犬という動物と真摯に向き合う場合、演技をするなどはリスペクトを欠いた行為だと思うのです。

甘噛みは、成長に伴いやってくれなくなることが多いので、ある時期は覚悟して受けて立つ!という心構えが良いのではないかと思います。
もちろん素手では傷だらけにされますので、グローブをしたり、パペットを使うことをオススメします。
必ず両手につけるようにしてください。
その意味は、やってみればわかると思います。

甘噛みを放っておくと本気噛みにつながる

という説があるようですが、全く根拠がないことだと、中西は感じています。
なぜかというと、中西が経験してきた犬たちのパターンは以下の4つになるからです。

 

甘噛みする本気噛みする
A
B×
C×
D××

 

上の表は、中西がレッスンで出会ってきた犬たちの噛みつきについて分類してみたものです。

AとBは、「甘噛みを放っておいた」ケースです。
Aのタイプは、甘噛みを放っておいたので甘噛みしますが、本気噛みもします。
先ほどの「甘噛みを放っておくと本気噛みに繋がる」パターンです。
しかしBのタイプの犬もいるのです。実際、我が家の犬たちは7頭すべてこのタイプです。
甘噛みを放っておいたので甘噛みしますが、本気で噛むことはありません。

CとDは、「甘噛みを放っておくと本気噛みに繋がる」と信じて、甘噛みをやめさせたケースです。
なので甘噛みしませんが、本気噛みをします。
繋がらないようにやめさせたのに本気噛みするのです。
これは悲劇です。
良かれと思って、マニュアルに従ってやめさせた飼い主さんが噛まれるようになってしまったのです。

私がレッスンしてきて感じているのは、残念ながらある方法で甘噛みをやめさせたところ、それが原因で噛むようになってしまったケースが少なくない、ということです。
絶対にやってはいけない方法は以下です。

甘噛みをしたら

・マズルをぎゅっと掴んで叱る(キャンと言うまで強く握る)
・ゲッとなるまで指や拳を口の中に突っ込む
・アゴの下を上に向かって思いっきり殴る
・アゴの下の毛をキャンと言うまで強く引っ張る

など

これをやってしまったから噛むようになってしまった。
冷静に考えれば当たり前のことだと理解するのは、そんなに難しいことではないと思います。
しかしそれが、もしプロからされたアドバイスだったら・・・
飼い主さんは信じてやってしまう。
心理学的に証明されている権威に対する人間の心理です。

甘噛みは、痛くないように装備して楽しくつきあいましょう。

痛かったら「痛い!」と、言おうと思わなくても言ってしまうので、それが犬に伝わります。
痛いのを我慢する必要はありませんが、できるだけ我慢するのが良いと、できるだけ犬と仲良くなりたい中西はそう思っています。

演技はやめましょう。
中途半端に反応すると、かえって楽しくなる犬が多いようなので要注意です。

「遊ぼう!」と言っているので、それに対して「ダメ!」「イケナイ!」「やめろ!」などと対応するのは間違っています。
おかしな会話になっています。それでは上手にコミュニケーションできません。

Q. 夜鳴きをして困ります

  A. 犬は不安を感じている、ということは理解できますか?

特に子犬を迎えた場合、ブリーダー元で親兄弟と寝ていたのに、たった一人で知らないところに連れてこられた子犬の気持ちを理解しようと努めてください。
不安だろうと思います。
しかし、鳴かれては困る環境に連れてきてしまったので、悲劇です。

中西は、なぜ、ペット可のマンションの玄関や窓が二重になっていないのか、不思議でなりません。
犬業界は、犬の飼育頭が減っていることを気にしているようですが、玄関や窓を二重にしたら、犬を飼う人はもっと増えるのではないか?と思えてなりません。
もちろん、単純に増えればいい、とは思っていません。
場合によっては不幸になる犬と飼い主が増える可能性もあるのではと思うのです。

こうした夜鳴きに対する今までの鉄板しつけは「無視をする」でした。
しかし昨今、そうした対処は犬の心を壊してしまう、という意見も出始めています。
私がアニマルコミュニケーションを学ばせてもらった、デビー・コワン・ハケットさんがそうおっしゃっていました。
リビングに独りぼっちで置いて、飼い主は寝室で眠る。
なんだかおかしい?と感じるようになりました。
しかし、確かにそれが一緒にいたいという要求吠えを学習することに繋がってしまうのは、吠えては困る環境においてはさすがに不都合になります。

今、この問題の対処法としてオススメしたいのは、ケージやクレートに入れて、飼い主のそばにおいてやる、ということです。
顔が見えたり、寝息が聞こえたりすることが、子犬が安心できることに助けになるのでは、と考えます。
ここで気をつけたいのは、不安で鳴いていることと、一緒にいたいという要求で吠えるのは違う、ということです。
この違いはとても大きなことだと中西は思います。
これをただ「鳴く」「吠える」というふうにくくってしまうのは、本当に愛犬との良い関係をつくるために、引っかかってくる問題かと思います。

人間の都合でどうしても「ハウスに閉じ込める」ことが必要になってしまうのですが、慣れてもらわなければならないことであることも事実です。
犬が「出たい」「出してくれ」という意思表示で吠える場合、「目隠し」することで吠えないことを学習させることができます。

吠えたら飼い主が見えないように、布でハウスを覆って目隠しをして、静かになったら目隠しを外してやります。
犬たちは飼い主を見ていたいので、その仕組みが理解できれば、静かにすること、諦めることを覚えます。
ただし、この布を外すタイミングは微妙なので、プロのサポートの元、実施することをオススメします。

Q. 嫌なことをすると噛みます

  A. あたりまえです

まず、犬が嫌がっていることをきちんと理解してあげてください。
嫌がることをする必要があるのか、よく考えて欲しいのです。
噛むほど嫌がっている、あるいは怖がっていることをやる必要はどのくらいありますか?

それでも、どうしてもやらなくてはならないのなら、どうしたら噛まずにやらせてくれるか考えてあげてください。
おやつで譲歩してくれるならおやつを使いましょう。
譲歩してくれなかったら、他の方法を考えてあげてください。
思いつかない場合は、プロのサポートを受けることをオススメします。

特に噛みつきの問題はとてもデリケートなので、プロと一緒に改善に努めた方が良いと思います。

絶対に、力づくで対処することはやめてください。人も犬も、悲しすぎます。

 

「犬のしつけ」は、なぜ必要?

犬のしつけは、なぜ必要なのでしょうか?

実は、中西は「犬のしつけ」が必要だとは思っていません。
飼い主が学ぶべきことは、「犬のしつけ」ではなく、「犬との幸せなつきあい方」だと思っているからです。

みなさんに質問をしてみたいと思います。

みなさんは、

Q.「犬がする行動をあげてください」

と言われたら、どんな行動を思いつきますか?

おそらく多くの方が

「吠える」

という行動を思いついたのではないでしょうか。

他には

「噛む、くわえて引っ張る、かじる、舐める、臭いを嗅ぐ、

引っ張る、走り回る、掘るマーキングする(排泄する)」

という行動を思いついた方も多いでしょう。

では、

Q.「モンダイ行動」とは、どんな行動でしょうか?

まさか、先ほどあげていただいた行動、ではないですよね?

こうして考えると、私たち人間は、犬がする行動を認識していながら、それをモンダイ行動としているのではないでしょうか?それは正しいことでしょうか?

もう一つ質問させてください。

Q.「おりこうな犬」とは、どんな犬でしょうか?

それは、

「吠えない」

「噛まない、くわえて引っ張らない、かじらない、舐めない、

臭いを嗅がない、(散歩で)引っ張らない、(室内を)走り回らない、

(ソファなど)掘らない(室内で、散歩で?)マーキングしない(排泄する)」

犬?

つまり、犬がする行動をしない犬=おりこうな犬

ということになっていないでしょうか?

それは正しいことなのでしょうか?

中西は、現在ネットにアップされていたり、本に書いてある「犬のしつけ」は、人にとって都合が良い犬であることを強いるものが多いと感じています。
飼い主さんたちは、本当にそれでいいと思っているのでしょうか?

今までに4頭の犬たちを亡くし、辛い別れをしてきました。
毎回思うのは、どれだけ尽くしたつもりでも後悔する、ということです。
後悔は絶対にします。しかし、最小限にしたい。
そう思ったときに、今の犬のしつけは窮屈すぎると感じました。
これではお別れの時に後悔してしまう。

そこで、「犬のしつけ」ではなく「犬との幸せなつきあい方」を追求していこう!と心に誓いました。
16年、2100頭以上の犬たちのレッスンを通して、たくさんの飼い主さんにもお会いしてきました。
「もっと早くお会いできていたら」
と涙を流されることも、少なくない現実に驚きを感じざるを得ません。
なぜ、そうなってしまうのか?
私にできることは何か?
そうして生まれたのが「よりそイズム®」です。
犬たちが犬として生きられない「犬のしつけ」はいらない。
犬たちが犬として生きられるよう、サポートしたい。

そういう思いに共感してくださる飼い主さんに、お互い幸せな共生を目指している飼い主さんに、中西から10のアドバイスをお伝えしたいと思います。

とても大切な社会化

社会化とは、犬という動物を人間社会に連れてきて、一緒に暮らすときに怖がったりしないように慣らすことです。人間のエゴで、と考えられなくもないことですが、上手に慣らしてやることで犬のストレスも軽減してやることができるし、お互い幸せな共生を人間社会でしてもらうために必要な作業になります。

以下は、社会化しておきたい、主な対象になります

室内(生活音)

(ドアホン、電話の呼び出し音、電話で話す飼い主の声、水が流れる音、テレビ・ラジオの音、ドア・窓の開閉音、掃除機、扇風機などの動く家電など)
※CDに録音されているものもありますが、リアルな音とは別のものとして学習されます

屋外

(自転車、バイク、自動車、トラック・バスなどの大型車両、電車、踏切、商店街などの賑やかな場所、お祭り、運動会のピストル音、花火など)
※太鼓の音や、ピストル音、花火などは慣れないこともあるので要注意

慣らすときは、小さな刺激からだんだん大きな刺激にするように、慎重に寛解を踏む必要があり

人に慣らす

老若男女、いろいろな年齢、性別の人を子犬のうちから会わせる
最初は犬が好き、飼っている人がよい
犬が苦手な人には、できれば生涯会わないで済むようにしたいもの
※成犬の場合、あまりに怖がるようなら会わなくても済むようにすることも必要

犬に慣らす

6ヶ月齢までは、できるだけ積極的に犬どうし遊べる機会を作る
成犬の場合は、初めて会う犬と遊べないことも多いので、無理に遊ばせる必要はない
怖がってしまう場合には、おやつなどで気を引いてやり過ごすことができるように、トレーニングする必要がある
避けられるなら避けることもあり
デリケートなトレーニングになるので、プロのサポートをオススメ
絶対にすれ違わなくてはならないことはない

「よりそイズム」ではハッピーにターンする(避ける)というのをオススメしている

車に乗せる

最初は怖がったり、車酔いをしたりすることがあるので、徐々に慣らしていく必要あり。
車内で遊ぶ(エンジン音なし)
車内で遊ぶ(エンジン音あり)
車内でクレートに入れる(エンジン音なし)
車内でクレートに入れる(エンジン音あり)
車内でクレートに入れる(近距離を運転、だんだん伸ばす)

など少しずつ慣らすつもりで。
様子によって大丈夫そうな場合には、これほど慎重にする必要がない場合もあります。
最初は怖がったり、吐いたりしても、乗る経験が増えると慣れてくることも多いです。
心配なら、プロにサポートしてもらいましょう。

キャリーバッグに入れる(小型〜中型犬)

電車などで移動する場合に便利。
最初はバッグを置いておいて、自由に調べさせる
中におやつやおもちゃなどを入れて、自ら入れるようにする
入ったら中で少し滞在できるように、おやつを詰めたおもちゃなどで遊ばせる
最初は短時間、だんだん時間を伸ばす
怖がらずに入れるようになったら、持ち上げてみる

おかしなしつけに惑わされないで!

×アイコンタクトしなければならない

○心が通じたら、指示しなくてもアイコンタクトできるようになります

よいトレーニングができる場合は、犬が喜んでこちらの目を見てくるので、あえて教える必要はありません

逆に、指示してしまうと、見たくなくても見ることが増えるので、本当の犬の気持ちがわかりづらくなると中西は考えます

×甘噛みをさせてはいけない

○甘噛みは犬からの「遊ぼう」というメッセージなので、遊べないときは「今は遊べない」ということを伝えましょう。

遊べるなら、痛くないようにグローブやパペットを手につけるなど工夫して、思いっきり楽しみましょう。

『大きな声で「痛い!」と言う』という方法を推奨する情報もあるようですが、実際に現場でやってみると、かえって興奮して強く噛むようになることが多いです。

つまり、痛いと言わなくちゃ!と思って言った時点で演技になってしまっているので、それは犬たちにバレる、ということなのだと思います。

本当に痛いときは、考えなくても声が出てしまうか、体が反応します。それが犬に伝わるのではないかと思います。

実際、レッスンの現場では、痛いとわかっているのに素手で犬に触る飼い主さんが多く、痛い目にあって腹を立てたり、犬に我慢することばかり押しつける人が多いのは、嘆かわしいことだと感じてしまいます。

×飛びつかせてはいけない

○相手によります

経験から感じることは、今まで2100頭以上の犬たちと向き合ってきて、私に飛びついてくれた犬はすべて、私のことを歓迎してくれて、すぐに仲良くなれた犬たちばかりです。知らない人なのに、人なつこく飛びついてくれる動物なんて、他にそうそういないのではないでしょうか?
(旭山動物園の坂東園長は、野生のレッサーパンダが、けっこう気楽な感じで普通に接してくるので面白い、とおっしゃっていました)

ただし、飛びつきの場合、受ける側によっては危険なことになります。飛びつかれたら転んでしまうような幼い子供、お年寄などです。そうした人たちは、もし飛びつかれたいと思っても、残念ながらしてもらっては困ります。もし怪我をさせてしまったら、責められるのは犬で、管理する側の人間ではないからです。
他人にしてしまって怪我などさせたら、裁判沙汰になって最悪は命を落とすことになるかもしれません。特に大きな犬を飼っている人は要注意です。

×散歩で前を歩かせてはいけない

○多少なら迷惑にならない範囲でOK

犬が人の前を歩くのは、犬が「自分が上だ」と思っているからやめさせなくてはならない。という説があるようですが、実際に現場で歩いていて、自分が上だと思って歩いている犬を見たことがありません。ただ、あまり自分から離れてしまうと迷惑になることがあるし、危険な場合もあるので、環境によってはできるだけ側にいてもらうのがよいでしょう。

×飼い主が犬より先にご飯を食べなくてはならない

○どちらでもOK

犬は何も気にしていません。帰りが遅くなってお腹をすかせて待っていただろうと思ったら、何より先にごはんをやりたい、と思うのが愛ある飼い主ではないでしょうか?
この説は、狼の群れを観察したことで考え出されたしつけのようですが、その観察は、実は囲いの中に囚われていた

×一緒に寝てはいけない

○お互いハッピーならどうぞ

一緒に寝ると、犬が飼い主と同等と思うようになり、威張ったり、言うことを聞かなくなる、ということのようですが、愛犬全部と一緒に寝ていますが、そんな風に感じたことはありません。ただし、一人でハウスで寝ることができるようになるまでは、一緒に寝ないようにしています。ハウスでも寝られるようになったら、一緒に寝たいので寝ますが、犬たちの方がどうかということ、暑い夏はベッドにくる犬は一頭だけです。あとは涼しいリビングにいたり、好きなところで寝ていることが多いです。冬は寒いので、ベッドの中に入りたがったりするのもいますし、上に乗って寝るのもいます。

朝寝坊をしていると、わざと起こしにくることもあります。犬たちと戯れる楽しい朝のひと時です。

×飼い主を上だと理解させるために仰向けにして押さえつける

○そんなことをする必要はないし、かえって関係を悪化させる場合があります

野生の群れを、関与することなく観察したところ、服従のポーズを教えるのは親オオカミで、巣穴の中ですでにその教育は終わるそうです。服従のポーズを覚えた子オオカミたちは、成獣に対して嬉しそうに白いお腹を出すのだそうです。成獣に対して幼いオオカミが見せる服従のポーズは、成獣が無理強いするのではなく、幼いオオカミが自ら見せるのだそうです。

×いたずらをしたら叱る

○運動消費量が足りていないので、散歩を増やすなど工夫する

人間にとっては「いたずら」と捉えたくなるかもしれませんが、犬にとっては大事な作業で、やり終えた達成感は、犬たちにとってすてきなものなのだろうと思います。

もちろん、犬は勝手にそうした作業をしますので、作業をされたら危険な場合は、しっかりと環境を管理する責任が、飼い主にはあります。

×トレーニングに食べ物を使ってはいけない

○無駄なエネルギーを使わないで、犬にも喜んでもらえてトレーニングできるので、一石二鳥です

トレーニングの目的をよく考えましょう。おやつで釣るのではなく、自分の魅力でいうことを聞いてほしい、という飼い主さんにたまに出会うことがありますが、あなたの魅力でやるかやらないか、それを決めるのは犬です。

私からのアドバイスがあるとすれば、ある行動をして欲しいなら、そんな無駄なエネルギーは使わないで、目的を達成し、こちらが望む行動をしてもらってはいかがでしょうか?と中西は思います。

×犬が唸ったら叱る

○犬だって「嫌だ」と言う権利はあります

唸って「嫌だ」と意思表示をしてくれたら、どうしたら「嫌」じゃなくて、やってくれるか、それを考えるのが、よい関係を築くために必要なことなのでは、と中西は思います。

「犬とのよりそイズム」でお互いハッピーに

ネットや雑誌、本にあふれている「犬のしつけ」に関する情報には、とても犬の幸せについて考えていると思えないものがたくさんあり、驚きます。

飼い主さんがそうした情報に惑わされて、愛犬との関係を壊してしまい、修復したいというレッスンをたくさんしてきました。

犬との関係で疑問を感じている点をすべて、覆していきたいと思っています。
飼い主さんが惑わされないよう、三原則を作りました。

「よりそイズム®」三原則

  1. 社会・他人に迷惑をかけない
  2. 飼い主・本犬に危険が及ばないなら、できるだけありのままで
    犬が犬らしく生きられるように
    人間側でできることを考えましょう!それでも犬は、お願いするとやってくれる動物ですので
  3. お互いハッピーならお願いしよう!お願いするとやってくれるからといって、自分だけがハッピーで、愛犬は我慢して欲しい、という考え方は「よりそイズム®」に反します。

人間のエゴで、短い犬たちの生を生きづらい、窮屈なものにしないよう、人間として心を広く、弱きものを助ける飼い主でありたいものです。