犬のコラム

〜愛犬ロックとの出会いが
私の人生をステキなものにしてくれた〜

ロックと出会って

我が愛犬ロックはミニチュアシュナウザー、
ブリーダー「ケンネルエイト」(ショップ兼ブリーダーさんです)
のご主人はちょっと不思議な人です。

ペットショップも営んでいますが、ショウケースは一切なく、
店の奥に向いてバリケン(クレート)が数個並び、
子犬が自由に店内を走り回っています。

子犬と初めてお見合いをする日、
店に入って挨拶をするやいなや「ほら」と子犬を一頭抱かされました。

後で聞いたのですが、彼は子犬を抱いている様子を見て、
その人に売るか売らないか判断するのだそうです。
「安易に犬を飼いたいと思っている人に、ウチの可愛い子たちは売れん!」
ということなのだそうです。

どうやらこの試験はパスしたようで、ロックは我が家の一員となりました。
しかし、安心してはいられません。
一週間後に飼い主の審査があるのです!

ご主人に育てるためのいくつかのルールを教わり
(今思えば、これらのルールは行動学に基づいたものでした)
自分なりに忠実に実行し、ドキドキしながらロックを連れていきました。

結果は合格!
ショップのボス犬にも叱られることなく、
ロックは落ち着いた良い子に育っていました。
(ボス犬に叱られない子は珍しいそう!バカ親ですね;)

ご主人に勧められ、何冊かしつけの本を購入しました。
それらはすべて日本のものではなく、
ヨーロッパ、アメリカの博士が書いたものを訳したものでした。
読んでみて欧米のしつけの進んでいることを強く感じました。

以後、トリミングのために月一度ショップに出かけましたが、
そのたびに「ちょっとかまい過ぎなんじゃない?」「お留守番長いでしょう?」と、
ズバリ心当たりがあるところを指摘されました。
ご主人は犬を見るだけで、そんなことまでわかってしまうのです。
私もそんな風になりたくて訓練士になろうと決心し、
養成学校の門を叩いたのですが、

さて、そこで経験したこととは、、。

 

訓練所で学んだこと、良かったこと、辞めた理由

60頭のラブラドールに囲まれ、訓練士になるための修行が始まりました。
常に頭に入れておかなければならないことは、本気で犬と接するということ。
これが犬と会話をするために一番大事なことだと学びました。

上達するに従って、ほんの小さな体の動きや気持ちを犬に読まれ、
上手く引けたり、引けなかったりします。
(指示を出し犬をコントロールすることを犬を「引く」といいます)

気持ちで負けるとやんちゃな犬は全然引けません。
こちらの弱気を読んで、わざとふざけてくるのです。
訓練がこれほど精神的に奥深いものだということを心と体で覚えました。
毎日泣きながら犬と向き合い、
1年かかってやっと認定のライセンスを手にすることができました。

試験会場で指示を出す右手の震えを止めることができなかったこと、
今でも良く覚えています。
しかし!喜んだのもつかの間、訓練士になってから、
今まで見えなかったものを見ることになり、
大きな疑問を持つようになったのです。

叩いたり、蹴ったりの訓練方法。訓練所では優等生の犬も、
飼い主のもとへ戻ると、指示には従わないし、散歩も引っ張りまくるという事実。
あげく「犬を嫌いな人ほど良い訓練士になれる」と言われ、訓練所を辞めました。
やはりしつけの先端は海外と思い、見つけたのが、
インターン研修システムを持つ、シドニーの「犬の家庭教師 ・ ドッグテック」でした。
さて、そこで体験した驚くべき方法とは、、、。

 

ドッグトレーナー留学
~ ドッグテックとの出会い ~

世界の「犬のしつけの最先端」を知りたくてネットで探していたところ、
シドニーにあるドッグテックを見つけ、ドッグトレーナー留学いたしました。

ドッグテックでは、インストラクターが家庭を訪問し犬の問題行動の原因を探ります。
その上でその犬の性格に合った独自のプログラムを処方し、
それを『飼い主』に実施してもらうことにより、犬のお行儀を良くしていくのです。

家庭での犬の問題を解決してあげられるのは、飼い主しかいないのです。
つまり犬のお行儀は、飼い主次第なのです!

インターン研修という形で、毎日ジョン先生と二人で問題犬がいるお宅を訪問し、
飼い主の話に耳を傾け、犬を観察し、どんな小さなことでも見逃すまいと、
ジョン先生の動きに全神経を集中させる日々を過ごしました。

プログラム実施2週間後に再びお宅を訪問しますが、
最初のセッションでは、ドアを開けた瞬間に飛び出してきた犬が、
リビングで大人しくしっぽを振って私たちを出迎えるとい体験を何度もしました。

100件近く訪問、163頭以上の犬に会い、プログラムの効果を確かに肌で感じました。
さて気になるそのプログラムの具体的な内容とは・・・

 

シドニーでの研修
~ アルファドッグプログラムとは ~

吠える、噛む、粗相をする(家の中でマーキングをする)、散歩で引っ張る
などの問題行動は、ほとんどすべてと言ってよいほど
「家族」という「群」においての犬のランキングが原因です。

例えば、お客様が来るたびに玄関に突進して行き吠えまくる子は、
自分が群のリーダー(アルファ)と思っていて、
誰よりも先に侵入者を確認し警告をしようとしているかもしれません。

あるいはおもちゃを取り上げようとして噛まれた場合、
飼い主を自分より下だと思っている子は、
「そんなことするな!」と唸って警告、
強引に取ろうとすると噛んでダメだと教えることもあり得るのです。

「ウチの犬は私をリーダーだと思ってくれている!」
と自信を持っている飼い主さんは多いと思います。
果たして本当にそうでしょうか?

犬からどれだけ認められているか知るためのバロメーターとして、
まずスワレ、フセなどの指示を、おやつなしでどのくらい従うかがあります。

指示1回で従う場合は、かなり認められているといえるでしょう。
2,3回ではまあまあ、4,5回だとちょっと、、、
それ以上は犬の気分次第、つまり従う気は少ないということになるでしょう。

おやつが無いと指示に従わせることができない場合は、
ほとんど認められていないかもしれません。
飼い主(リーダー)に誉められたくて従っているのではなく、
おやつが欲しいから従っているだけです。

では、どうしたらリーダーになれるのでしょうか?
アルファドッグプログラムは、動物行動学に基づいて
犬が本能的に飼い主をリーダーだと思える
「犬との関わり方」を指導するものです。

例えば犬と飼い主の食事の順番、寝るところ、散歩の仕方、犬との接し方など、
特に人間の常識で理解しようとすると犬に誤解を与える行動をチェックし、
正しい関わりかたを犬の個性、飼い主のタイプ、
生活の環境に応じてプログラムを作成します。

それをインストラクターではなく、飼い主自身に実施してもらうことにより
リーダーシップを獲得、犬をしつけたり、問題行動を改善していくことができるのです。

次は「しつけ」と「訓練」についてお話したいと思います。

 

犬とのつきあい、本当に必要なこと

今の「犬のしつけ」の常識は、おかしなものが多すぎる!

いつしか、そう感じるようになりました。
アメリカンインディアンの教えに出会ってから
私の中で大きく、何かが変わったのです

二本の足を持つひとびと
四本の足を持つひとびと

私たちの違いは、それほどのことだけしかない
母なる大地の上、同じ重さの命
それが、私たちの愛すべき相棒たちなのです

自分の目線より犬を上にしてはいけない
ソファに並んで乗ってはいけない
一緒に寝てはいけない
行く手をふさいでいたら、どかさなくてはいけない

そんなバカな!
と思うのです

彼らは、それほど寛大で、無条件の愛を持っています
自己肯定感の低さ
承認欲求の強さで
犬たちを苦しめることは、間違っている
そう感じています

犬たちとの本当に正しい共生のために

私たちが学び、気づくべきことがたくさんあるようです

 

ごほうびを使って教えるということ
~ ごほうびが無くても言うことをきく? ~

残念ながらきいてくれません。なぜでしょう?
それは、飼い主のリーダーシップが足りないからです。

お客様先で、必ず訓練(お座り、フセ、マテなど)の成果を見せていただくのですが、
なかなか指示一回で言うことをきかせられる場合は少ないです。
たいてい大きな声で何度か指示を出し(心の中ではお願いしながら!?)
やっとお座りをしていただく、というケースが多いです。

それでも、ごほうびを使って訓練をすることには重要なポイントがあります。
それはたとえごほうびの力を借りたとしても「指示を出す」のが飼い主で
「指示に従う」のが犬である、という形を確実に作り出せるということです。

ぜひ今日からごほうびを使って訓練をしてみて下さい。
その時、次の点について注意しながら行って下さい。

まず愛犬の「大好きな」おやつをみつけます(これがなかなか重要です)。
そして「お座り」などの指示を1度だけ出して下さい。
(この時、あまり大きな声で指示を出さないようにして下さい。
充分聞こえています!)

1度で座らなかったら「じゃ、知らない!」という感じで、
訓練を中断してそっぽを向いて下さい。
少ししたら再開して下さい。

従ったら、良くほめてごほうびをあげて下さい。
このとき、指示を出していないのに「ほら、ボク良い子でしょ?」と
目の前で座っていても、指示を出したのでなければ、
決してごほうびをあげてはいけません。

あげてしまうと、犬の指示(ごほうびちょうだい!)に
従ってしまったことになります。
この場合は座っている状態からフセさせて、あげて下さい。

このように「訓練」をしながら「しつけ」の方で
飼い主さんがリーダーシップをしっかり獲得していけば、
ごほうびがなくても言うことをきいてくれるようになります。
飼い主がごほうびになれるのです。

 

ドギーラボを立ち上げて
~ ロックとコタローを矯正して ~

愛犬ロック、コタローのしつけに熱くなり訓練士になりましたが、
訓練所の方法では我が家での犬たちの問題を直すことはできませんでした。

一番困っていたのは、訪問者に対しての威嚇です。
ドアホンがなると真っ先に玄関先まで飛んでいき吠えまくる始末でした。

大きな段ボール箱を抱えた宅配便の方があとずさりした時に
「これはなんとかしなくては!」と思いました。

あとは、ロックが私に向かって唸ることでした。
寝ているところを抱き上げようとしたり、エサを食べている時に器に触ったり、
ガムを噛んでいるときに取ろうとすると唸るのです。

さすがに少々怖く、身体と気持ちがかすかに引いてしまうのは感じていました。
今思えば、わずかなビビリもロックには感じ取られていたのです。

コタローは唸ったりはしないのですが、
明るい不服従とういうのをやってのけます。
下手に出ているふりをして指示に従わないのです。
マテの指示を出しているのに、姿勢を低くして申し訳なさそうに歩き出し、
待ちません。
そんな訳で、シドニーより帰国してから2頭の矯正プログラムを実施し始めました。

とにかく自分の犬を直せないなら仕事は立ち上げられない、
という気持ちで真剣に取り組んでいったところ、変化が表れ始めました。

家の中での細かなルールを守り、外では毎日1頭ずつ歩行訓練を約1時間続けた結果、
今ではドアホンがなっても、奥の部屋の自分達のクッションの上で、
耳だけを玄関の方に向け、こちらが「良し!」と指示を出すまでは
荷物の点検(?)を始めません。

宅配便の方には「今日はワンちゃんはいないのですか?」と聞かれる始末です。
プログラム実施当時ロックは4歳、コタローは2歳半でした。

 

ディディエは今
~ 大変身したフォックステリアの話 ~

訓練所を辞めようと思ったもうひとつのきっかけである友人の愛犬、
フォックステリアのディディエのその話をさせていただこうと思います。

フォックステリアは決して飼いやすい犬では無いという知識を持っていた友人は、
ディディエが5ヶ月を迎えたとき、私が前に努めていた訓練所に彼を預けてくれました。

3日預かり10日飼い主のもとで過ごす、
という方法で4ヶ月間訓練に耐えたディディエは、
訓練所では誰もが「こんなフォックステリアは見たことがない!」と驚く程、
指示に良くしたがう優秀な犬になっていました。

もちろんリード無しできちんと左側脚側について歩けますし、
10M程先にある障害(スタンドにかけられたバー)を飛んで振り向き座り、
指示によって飼い主の足下にきちんと戻る、障害飛越という訓練も、
しっかりとこなせる犬に成長していました。
(※ただし、すべて訓練所内でのことです)

さて、そのように優秀な成績を修め卒業したディディエですが、
その後しばらくして友人宅へ遊びにいってびっくり!?

そこには、飼い主の指示を無視して座りもフセもせず、
家の中を走り回り、散歩では引っ張りまくるディディエの姿があったのでした。

私の仕事に対する疑問は頂点に達しました。
そういえば他のお客様の犬たちも、
たまに預かりで戻ってくるとちっとも指示に従わなくなっていたり、
復習訓練として改めて訓練しなおす必要がある子がやってきたりで、
飼い主さんの元へ戻ってからのことは日頃から疑問に感じていたところでした。

こんなショッキングなこともありました。
無事卒業したはずのドーベルマンがちっとも言うことを聞かないということで、
飼い主に捨てられ訓練所に戻された件です。

そんなことがあってから、自分の仕事に疑問を感じ、
インターネットで海外の訓練 ・ しつけ事情について調べていたところ、
飼い主にしつけの指導をしているドッグテック ・ インターナショナルを
見つけた訳です。

研修を終え帰国してから、ディディエの飼い主である友人自らの依頼により、
友人に真の「飼い主」になってもらうプログラムを実施しました。
今のディディエの様子をお話しましょう!

前は、ドアホンを押すと激しく吠えまくり、ドアを開けると飛びかかって来た彼も、
今では、ドアホンを押してもじっと自分のベッドの上に丸まって、
友人の許可が出るまではお客様に飛びかかったりしない、
お行儀の良い子になりました。

がんばって忠実にプログラムを実施してくれた友人は、
私に感動とビヘイビアリスト(犬の家庭教師)
という仕事を始める勇気をくれたのでした。

 

子犬のしつけ
~ アクセルがやってきた! ~

犬のしつけは6ヶ月で決まる(ジョエル・ドゥハッス著 渡辺格訳 マガジンハウス)
と言われています。

シドニーから帰国してから、
4歳を過ぎたロックと3歳になったコタローの問題行動矯正をしましたが、
今度は子犬を育ててみたくなり、ミニチュアシュナウザーの子犬、
アクセルと50日目で出会うことになりました。

フロアで自由に遊んでいる子犬の中で一番元気良く、
最初に飛んできて私に向かって吠えまくったのがアクセルでした。

それから手元に来る2ヶ月齢になるまで、1週間ごとに会いに行きました。
アクセルを観察しながら、ブリーダーからのアドバイスで、
力で押さえつけるのではなく、
アクセルのやんちゃな性格はそのままで主導権をしっかりとって
コントロールできるようにする、
という教育方法にチャレンジをすることになったのです。

仕事をしていますので、かまってやれる時間は決して多くはありませんが、
出来る範囲でベストを尽くすようにしています。

一番いけないのは、相手をしているようで心ここにあらずの状態です。
かまってやれないならケージなどに入れておく方が、
精神的にも教育的にも良いのです。
中途半端につき合うのが、この頃の子犬には一番いけないことです。

2ヶ月から6ヶ月までの子犬は、
本当にすごい早さで成長することを改めて実感しています。
最初はおとなしく、いたずらもほとんどしませんでしたが、
日に日に変わっていきます。

6ヶ月近くなってくると、いわゆる反抗期のような時期をむかえますが、
実は知恵がついているということなのです。
飼い主はその上手をとらなければなりません。
トレーニングと違い、しつけは早すぎるということはありません。

アクセルの仕上がりを、いつか皆様に報告できるよう、がんばりたいと思います。
乞うご期待!

 

犬を「買う」時に注意して欲しいこと
~ 例えばトイレのしつけ ~

ビヘイビアリスト(犬の家庭教師)の仕事を始めて一番気になるのが、
どのようにして子犬を手に入れたかです。

 

な手段としては、ペットショップから、ブリーダーから、
知り合いのところで生まれた、里親として引き取った、などがあると思います。
里親は例外として、何ヶ月齢で飼い主の手元に来たかはとても大事です。
理想とされているのは最低7週齢以上といわれていますが、
それ以下で手元に来た子に問題行動が多い傾向があります。
特に「甘噛みがひどい」「落ち着きがない」などのケースがあります

また年齢とは別に、手元に来るまでの環境の問題もあるようです。
ショウケースに入れられ、便をしてもなかなか片づけてもらえなかった子は、
自分の排泄物を食べてしまう「食糞」のくせが多い傾向があるようです。

例えばトイレットトレーニングに関して、我が家の子犬、アクセルの話をしますと、
犬が手元に来たときに、まず最初に気にかかるのがトイレしつけですが、
彼は少し遊んだあと、ソワソワしながらなんの迷いもなく
敷いておいたペットシーツの上で排便をすませて、再び遊び始めました。
トイレのしつけはブリーダーのところにいる間に済んでいたのです。

考えてみれば当たり前のことかもしれません。
母犬が便を舐め取る時期が過ぎ自ら排便するようになるのは、
手元に来る前に始まっているのです。

その時期に世話をする人がどのように扱うかで、
飼い主がトイレのしつけで悩む必要がなくなるかもしれません。

 

ビヘイビアリスト(犬の家庭教師)をはじめて
~ 見えてきた飼い主さんたちのこと ~

帰国してビヘイビアリスト(犬の家庭教師)の仕事を始めて、
伺ったお客様の数は100件(※)を超えました。実際にお宅に伺い、
犬と飼い主に出会い話を聞いてきて感じたのは、
皆さんが困っている問題行動はいくつかのパターンに分けられるということです。
問題行動の原因の大きな柱は、犬と飼い主の主従関係にありますが、
主な問題行動と、それについて感じたことをお話したいと思います。

吠える

まず、なぜ吠えているのか、良く観察してみて下さい。
来客、外の物音に向かって吠えている場合、ケージの中から飼い主に向かって、
ゴハンが欲しくて、散歩に行きたくて吠えている場合、何か特定のもの、
掃除機などに向かって吠えている場合。
それぞれ吠えている意味と対処の仕方が違います。
場合によっては、叱らなくてはならない、あるいは無視しなくてはならないのです。

唸る、噛む

愛犬に噛まれたことがある飼い主が意外にも多いことに驚いています。
甘噛みを大目にみていると、あとでやっかいなことになりかねません。
人間に牙を当ててはいけないことを、
早いうちからしっかりと教えておく必要があります。
犬は牙の意味を、人間が思う以上に意識しています。

トイレのしつけ

これは家の中で犬を飼う場合には、とても大事な問題です。
しかし、あまり神経質になりすぎても良くない方向へ
行ってしまうケースを多く見てきました。
とにかく粗相をしてしまったら、慌てず、騒がず、叱らず、
平静を装って始末して下さい。
雑巾をたくさん用意して、どんとかまえるのが良いです。

呼んでも来ない

これも多い相談です。
これは呼んだら来る訓練をすれば良いかというと、そういう問題ではないのです。
呼ばれたら戻ろう、という気持ちを犬の中に生み出さなくてはなりません。
そのためには、犬にリーダーの指示は絶対だ!という
服従の気持ちを持たせなければなりません。
では、どうすれば良いのか?犬は生活の中から、
誰がリーダーであるかを判断しますので、
普段からの犬との接し方の中で必ず主導権を握るように心がけてみて下さい。
※現在は900件を超えました。2007/06/30

 

これからの日本の犬文化
~ 飼い主さんたちへのメッセージ ~

今までは私が実際に経験してきたことをお話してきましたが、
今日は生意気にも私が希望するこれからの日本の「犬を飼うとき」の
話をしたいと思います。

犬との出会い「まず親犬から選ぶ」
犬と出会いはいろいろありますが、ぜひブリーダーから飼う、
ということにこだわって頂きたいです。

まず犬種について十分調べ、親犬を見て決める!
というところまでこだわってみるのはいかがでしょうか?

私が研修したシドニーのドックテックインターナショナルのジョン先生は、
去年ロットワイラーの女の子を飼いました。
ブリーダーを選び出し、その子の母親を見て決めたそうです。
トレーニングに関して相当自信があるようで、必ず見に来い!
との連絡があり今年の夏その子に会いに行く予定です。

また、去年から連絡をいただいているお客様で、
親犬が妊娠中からご予約を頂いてた方がいます。
レオンベルガーの子犬ですが、電話を頂いた時は少々気が早い、
と感じましたが、実はとても大事なことだと気づかされました。

ブリーダーは慎重に選ぶべきです。
我が家の子犬、アクセルは2ヶ月齢で我が家に来たとき、
トイレのしつけをする必要がありませんでした。
ブリーダーのところで済んでいたのです。

子犬のトイレの習慣は、母親が便を舐め取らなくなった時からすでに始まっています。
それは、飼い主の手元に来るずいぶん前のことのです。
そこで、私は思うのです!
飼い主さんの手元に来る前に、
プロであるブリーダーさんの元でトイレのしつけが済んでいたら、
どんなにすばらしいことかと!

お客様から聞いた話ですが
「飼い主に慣れないといけないので、生まれてからほとんど子犬に触っていません」
と言われたそうです。
犬舎も見せてもらえなかったとのこと。

ベルギーの獣医師、ジョエル・ドゥハッス博士によると、
子犬を人間に慣らすためには、赤ちゃんの頃から触ってあげる必要があるのです。

次に気にしていただきたいのは子犬の年齢です。
ドゥハッス先生によると、最低50日は親兄弟と一緒にしておくべきです。
実際、それより早く手元に来て、落ち着きがない、
甘噛みがひどいなどの問題行動に関するお問い合わせを、実際に非常に多く承ります。
子犬は悪くありません。ただ教わっていないだけなのです。

しつけ
しつけは子犬が手元に来てからすでに始まります。
それは「訓練」と言われているものとは違います。

「しつけ」は必ずしも叱ることではありません。
特別なことでもありません。
撫でたり抱っこしたりの子犬との関わり方こそ、大切なしつけなのです。

訓練に関しては、6ヶ月前の子犬に、あまり高度なことを要求するのは止めましょう!
スワレ、フセ、マテなどのことを教える場合には、
大好きなおやつをつかって楽しくやってあげて下さい。
マテは最初からあまり長い時間に挑戦しないであげて下さい。まずは5秒から!

4歳までまったく訓練をしなかった我が家の長男ロックは、
5秒から始めて今では5時間も平気で待ってくれます。
厳しい訓練は、少々気持ちが安定し始める6ヶ月過ぎから取り組んでも、
決して遅くはないと思います。
犬好きとして、家庭教師として、少しでも多くの飼い主さんが、
愛犬から尊敬される喜びを経験していただきたいと思っています。