読売新聞(夕刊)ペットらいふ

2013年10月4日掲載

教えて!

犬をしつけ直す

1 問題行動 必ず原因が

「夜鳴きがひどくなった」など、愛犬に問題行動が現れて悩む声をよく聞きます。犬の行動が急に変わる時は必ず原因があります。それを見つけるのが、しつけをやり直す第一歩です。

問題行動のほとんどは、飼い主とのつきあいから犬が学習することで始まります。例えば、ケージに入れたのに寝ずに鳴き始めたケース。飼い主が何度かベッドで愛犬と寝たことをきっかけに、犬はケージから出せと主張するようになりました。飼い主も鳴くたびに連れ出したため、そのうち犬は鳴けばベッドで寝られると学んだのです。

直すには、新しく学習させることが必要です。この場合は、鳴いてもベッドに行けないことを教えます。つまり、無視すること。1日で学ぶ犬もいれば、1か月近くかかる犬もいますが、根気よく続けましょう。隣近所に配慮して、昼寝の際や夜の就寝時間を早めるなどして、取り組むとよいでしょう。また、電気を消したり、人の気配がなくなったりすると鳴き始めることもあります。その際は、犬を入れたケージを人が見える位置から少しずつ遠ざける対処法も有効です。

しつけ直しは、簡単ではありません。飼い主が犬の要求に応じ過ぎると、望ましくない行動を学んでしまうこともあると覚えておきましょう。

2 散歩は飼い主が主導権

愛犬が散歩中にリードを引っ張るようになって困る、と相談を受けます。飼い
主が転倒してけがをしたり、通行人の妨げになったりするので、直したい行動の
一つです。
 幼い犬は、外の世界を警戒して、飼い主からそれほど離れません。成長すると
自分が気になるものを追いかけるようになります。犬に合わせて飼い主が走ると
引っ張り癖がつきます。地面のにおいを嗅ぎながら自由に歩き回らせると、拾い
食いを始めます。
 犬は一度できたことは繰り返します。飼い主がしてほしくないことは、犬の思
い通りにさせず、できないことを教える必要があります。
 引っ張り癖は、犬が首を下げると少し苦しく感じる程度にリードを短く持ち、
横に並んでゆっくり歩いて直します。10メートルほど進んで一度立ち止まり、
犬が自ら進むのをやめるまで待ちます。リードを緩めても動かずにいられたら
「行こう!」などと合図をして歩き出しましょう。止まる時も、歩き出す時も、
飼い主が主導権を持つことが大事です。
 拾い食いは、犬が鼻を地面に近づけたとき、リードをまっすぐ上にチョイチョ
イと引っ張り上げます。犬が首を上げたら必ず褒めましょう。繰り返すうちに、
飼い主のペースにあわせて歩けるようになるはずです。

3 褒美でトイレを再認識

 トイレやケージの中など、決まった場所で排せつをしていたのに、急にしなく
なった。そんな愛犬の変化には、いくつかの理由が考えられます。
 まず、犬は生後6か月頃から自己主張が強くなり、排せつで縄張りを示そうと
するマーキングを始めることがあります。玄関や廊下など、人がよく通る場所や
目につきやすい場所で行うのが特徴です。
 また、トイレトレーニングを終えて、飼い主が毎回おやつなどの褒美を与えな
くなると、意欲が下がってしまう場合があります。玄関マットやじゅうたんなど
ペットシーツ同様に染み込む素材を見つけて排せつするようになります。
 家族や飼い犬が増えたり、引っ越したりなど、住環境が変化した時も、部屋や
家具に臭いをつけようとします。
 いずれの場合も対処法は同じです。粗相を見つけたら、大声で叱ったりせず、
速やかに捕まえてケージなどに入れて、最低1時間は放っておきます。きちんと
排せつできれば、褒美を与えて愛犬の意欲を高め、トイレの場所を再認識させま
す。愛犬の好物を与えるほど、早く思い出します。
 トイレができるようになっても、数回に1回は褒美を与え続けて、しっかり継
続できるようにしましょう。

今までかみつかなかったのに、急にかみつくようになったという相談をよく受けます。
 たとえば、子犬の頃は、おもちゃやエサの入った器を取り上げても大丈夫でも、6か月を過ぎた頃から、うなったり、かもうとしたりすることがあります。自己主張が強くなり、「取るな!」と伝えているのです。
 この時、かもうとしたからといって、おもちゃなどを取らずにいると、犬は嫌なことをされそうになったら、かめばいいと学習してしまいます。取り上げる時に、「ちょうだい」などの言葉をかけておやつを見せ、放したら、よくほめて与えるといった方法で直しましょう。おやつは、おもちゃなどよりも魅力を感じるものを使う必要があります。
 また、体をなでただけでかむような時は、健康上の問題が潜んでいるかもしれません。たとえば、関節に炎症があって触られると痛い時、かみついて「やめて」と訴えるのです。ふだん通りに触れているのにかむようになった時は、動物病院を受診しましょう。
 かみつきは、そうした行動をとる理由を見つけづらいことが多く、やめさせようとして、かえって悪化させることもあるなど、しつけ直しが難しい行動のひとつです。適切に対処するために、専門のトレーナーやかかりつけ医などに相談することも検討するとよいでしょう。

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