シドニーでの研修 ~ アルファドッグプログラムとは ~

吠える、噛む、粗相をする(家の中でマーキングをする)、散歩で引っ張るなどの問題行動は、ほとんどすべてと言ってよいほど「家族」という「群」においての犬のランキングが原因です。
例えば、お客様が来るたびに玄関に突進して行き吠えまくる子は、自分が群のリーダー(アルファ)と思っていて、誰よりも先に侵入者を確認し警告をしようとしているかもしれません。あるいはおもちゃを取り上げようとして噛まれた場合、飼い主を自分より下だと思っている子は、「そんなことするな!」と唸って警告、強引に取ろうとすると噛んでダメだと教えることもあり得るのです。
「ウチの犬は私をリーダーだと思ってくれている!」と自信を持っている飼い主さんは多いと思います。果たして本当にそうでしょうか?
犬からどれだけ認められているか知るためのバロメーターとして、まずスワレ、フセなどの指示を、おやつなしでどのくらい従うかがあります。指示1回で従う場合は、かなり認められているといえるでしょう。2,3回ではまあまあ、4,5回だとちょっと、、、それ以上は犬の気分次第、つまり従う気は少ないということになるでしょう。おやつが無いと指示に従わせることができない場合は、ほとんど認められていないかもしれません。飼い主(リーダー)に誉められたくて従っているのではなく、おやつが欲しいから従っているだけです。
では、どうしたらリーダーになれるのでしょうか?
アルファドッグプログラムは、動物行動学に基づいて犬が本能的に飼い主をリーダーだと思える「犬との関わり方」を指導するものです。例えば犬と飼い主の食事の順番、寝るところ、散歩の仕方、犬との接し方など、特に人間の常識で理解しようとすると犬に誤解を与える行動をチェックし、正しい関わりかたを犬の個性、飼い主のタイプ、生活の環境に応じてプログラムを作成します。それをインストラクターではなく、飼い主自身に実施してもらうことによりリーダーシップを獲得、犬をしつけたり、問題行動を改善していくことができるのです。
次回は「しつけ」と「訓練」についてお話したいと思います。